片想いの行方
第39章 片想いの行方
思わず吹き出した俺に、ヒメが振り返る。
「……なに笑ってんだよ」
「……ヒメ……お前その顔……!
どんだけ落ち込んでるんだよ。
さっきまであんなに俺に自慢してたのに………くくくっ」
美和のことになるとすぐ、本性を顔に出すことは知っていたけど。
まさかこんな子犬のような悲しい顔になるとは……
俺は笑いが止まらない。
「うるせー!!
呑気に笑ってるけどな、美和に先にキスをしたのは俺だ!」
大声を出したヒメを見ても、俺はまだ余裕で笑っていられた。
……まぁ、最初はこいつの方が美和と仲が良かったわけだし。
美和を目の前にすれば、その衝動を抑えられないのも分かる。
「……そうか、良かったな。
ムカつくけど、特別に許してやるよ」
俺がそう言うと
今度はヒメが俺を見て、静かに口を開いた。