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片想いの行方

第39章 片想いの行方

「……美和は、毎回幸せって言ってたな」


「……!」




俺の言葉に、ヒメが振り返る。





「最初は痛そうで、必死に俺にしがみついてたけど。


そのうちにスッゲー色っぽい声で俺の名前を呼ぶようになって。


……抱く度に、マジで可愛かった」








……どうだ。




さすがに今のはアンフェアだとしても、てめーがこんな話を始めるのが悪い。




俺は言い返してこない奴を不思議に思い、もう一度ヒメの顔を見ると







「…………!」







ヒメは怒るでも笑い飛ばすでもなく






ただ切ない顔をして、流れる川を呆然と眺めていた。











「…………ぶっ………」

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