片想いの行方
第43章 突然の…
「………! もしかして、中途採用の……」
MDチームのヘッドハンティング。
お昼に行く前に聞いた、奈々さんの話を思い出す。
「先輩、これからお世話になります。
新人な僕ですが、宜しくお願いします」
ヒメはわざとらしくペコッと頭を下げて
いたずらっこの顔をして笑った。
「…………っ」
心臓がバクバクと音を立てる。
頭が混乱して状況の整理ができないけれど
目の前にいるヒメが笑うだけで、急激に胸が締め付けられる。
「……なんで、うちの会社に……」
「だって俺、服好きだもん」
「……! だけど、確か有名な広告代理店に……」
「あのなぁ。
この俺がひとつの会社にずっと居続けると思うか?
蓮と一緒にするんじゃねーよ」
ヒメの口から出たその名前に、再び体が硬直する。
………2人は今でも………?
「………あ………」