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片想いの行方

第44章  『元気だよ』

「ごめんね、メールと電話をくれてたのに、折り返しがこんな時間になっちゃって。

体に悪いから、もうそろそろ切るね」



『いいよ、全然。

久しぶりに美和と話せて嬉しいし。

それより、相変わらず仕事こんな時間までやってるの?

販売員じゃないんだから、もっと早く帰れるでしょ?』



アンナの言葉に、私は少しだけ間を置いた。




「…………うん。

でも今繁忙期だから。

年が明けたら少しは落ち着くよ」



『それ、夏前も言ってなかったっけ~?

あんまり頑張り過ぎちゃ駄目よ。

体壊さないようにしてよね?』




電話口からの優しい言葉に、穏やかな気持ちになる。



離れていてもこうして話が出来るだけで、私は救われているんだ。




「……ありがとう、アンナ。

アンナも1人の体じゃないんだから、体調に気をつけてね」



『美和』






電話を切る前に、アンナが再び口を開いた。








『……今、本当に元気なの?』

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