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片想いの行方

第45章 あの頃とは違う



………………………………………



「美和ちゃん!」




翌日の朝8時。


いつもは始業10分前にならないと出勤しない奈々さんが、珍しく席に座っていた。


私の姿を見ると、一目散に駆け寄ってくる。




「もう!今日休んでいいよって言ったのに。

本当に大丈夫なの!?」


「奈々さん……」



顔を歪ませて私の頭を撫でてくれる奈々さんを見て


私はふっと笑った。



「大丈夫です。

……って、私昨日のこと、覚えてなくて……」



フロアの休憩スペースにある、ソファに2人で腰掛けると


奈々さんは大きく息をはいた。



「そりゃ、覚えてないよ。

私が振り返った時には、美和ちゃんもう倒れてたんだもん。

救急車が来るまで呼んでも全然反応しないから、もう心臓が破裂するかと思ったよ」



「……ごめんなさい……。

心配かけちゃって………」



寝不足や疲れが原因って医者が言ってたという、ヒメの言葉を思い出して


私はそれを奈々さんに伝えた。




「最近寝るのが遅かったりしてて。

でも、体調はもうなんともないですから大丈夫です。


本当に、びっくりさせちゃってすみませんでした」

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