片想いの行方
第45章 あの頃とは違う
「まぁ、あれだけのイイ男なら、高校時代も相当カッコよかったんだろうね~。
同級生ってだけでも羨ましいな~~。
結婚する前に出逢いたかったわ♪」
始業時間の9時に近付き、他の社員も続々と入ってきた。
私と奈々さんも自分達の席へと足を進める。
「で、目を覚ました後は、懐かしい思い出話とかできたの?」
「……いえ……
私予定があったのを思い出して、ほとんど話さずに出て行っちゃったんです」
「えー!じゃあ、後でちゃんと話しに行きなよ~」
奈々さんはにっこりと微笑む。
「昨日の彼、本当に心配そうな顔してたからさ。
改めてのお礼も含めて、元気な姿見せてあげたらいいと思うよ」
「………はい………」
私は小さく返事をして、自分の席に着いた。