テキストサイズ

片想いの行方

第46章 朝の7時と、夜の9時



会社から徒歩で20分。



同じ区内に立ち並ぶ、高層マンション。



その1棟のエントランスに入り、時刻が5分前になったのを確認すると



入口のパネルで部屋番号を押して、インターホンを鳴らす。




「…………………」




返答が無いのはいつものこと。





しばらくすると、エントランスの自動ドアが開いた。




いくつかの扉を抜けて、エレベーターで最上階まで上がる。




4部屋しかないこのフロアの、1番角まで足を進めると






「……!」








玄関の前に立ってこちらを見ているその姿に、私は驚いた。








「……一条(いちじょう)さん………」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ