テキストサイズ

片想いの行方

第47章 探り合い


「美和。 どうなんだよ?」




ヒメの手を、私はそっと握り返した。





「………約束するよ………」






ヒメの言葉が本当に嬉しかったから、そう言って頷いたけど。




……それは、流れ星に願いをかけるような、夢物語だということ。



私は充分、分かっていた。




………今いる世界が現実である限り



この願いは、絶対に叶わない。








「…………………」



ヒメはそんな私を無言で見つめていたけど


握っていた手を引っ張って、立ち上がった。




「行くぞ」


「……う、うん……」




もう夜の10時を過ぎている。



寒い中こんな時間まで………ごめんね、ヒメ………



心の中で、小さく呟いた時



「……!」



公園を出ると、ヒメは駅とは反対の方向に歩き出した。




「……? 駅そっちじゃないよ……」



「いいから。

このままちょっと付き合え」




ヒメはそう言うと、戸惑う私の手を繋いだまま



再びメイン通りへと足を進めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ