片想いの行方
第48章 2人の夜
結局私は、その後も言い合いをしながらヒメについていく。
たぶん10分もかからないうちに、マンションの入り口に着いた。
コンクリート壁のデザイナーズマンション。
「………なんか、ヒメらしいね………」
5Fの角部屋に入ると、部屋の中も変わった作りをしていて
余計なものは一切ないけど、センスのいいインテリア家具が並んでいる。
ヒメのオシャレな感じがよく現れていた。
………1人暮らしっぽいよね?
「お前、先に風呂入れよ」
「……え!?………ぶっ」
振り向くと同時に、タオルと部屋着を顔に投げられた。
お、お風呂………!
「アホ、いちいち反応するな。
なんなら一緒に入ってやってもいいけど」
「………!///
ひ、1人で入るよ!」
私は投げられたそれらを拾い上げて、慌ててリビングの外に出た。