片想いの行方
第48章 2人の夜
「そ、そういえば!
高校の時、課外授業で流れ星見たよね。
覚えてる?」
この気まずい状況をなんとか変えたくて
別の話題を頭のなかでぐるぐる考えて、この星空を見て思い出した。
「あれって何年かに1度の流星群だから、見れて良かったよね。
私、あれから流れ星を見たことないかも……」
…………
………言いかけてから、気付いた。
あの日は………
「……なに? なんか思い出した?」
ヒメの手が、私の腕に触れる。
「…………っ」
「俺は今でも鮮明に覚えてるよ。
……女に殴られたのは、あの日が初めてだったからな」
ヒメの深い目が、私を真っ直ぐに見つめる。
心臓の音が、うるさいくらいに鳴り響いていた。