片想いの行方
第48章 2人の夜
「……そうだっけ?
ど、どうせヒメがまた意地悪な事言ったからでしょ。
悪いけど、私は全然覚えてないから」
ヒメの手が私の髪へと移動する。
……ダメだ。
これ以上は心臓がもたない。
「もうこの星空消すね。
1度電気点けて……」
「嘘つき」
立ち上がろうとした私を、ヒメがぐいっ引き寄せる。
その勢いで、私はヒメの腕の中に倒れ込んだ。
「あの流星群の日に、片想いしていた蓮に優香がいるって知ったんだ。
忘れてるわけねーだろ。
それに
俺を殴った後のことも、お前は絶対に覚えてる」
「…………っ」
ヒメの顔が、すぐ目の前にある。
避けようにも、力強い腕にがっちり閉じ込められて、身動きが取れない。