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片想いの行方

第50章 真実




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「うちらの上司?」



「はい。

多分今は居ないと思うんですけど、美和とも関わりのある奴で。

思い当たる人いませんか?」



インスタントのコーヒーを飲みながら、奈々さんは考えるように首を傾げる。




“ 会社の近くの高級マンションに住んでいる ”


“ 立場上逆らえない ”



美和から聞いたそれらから、きっとこの社内の人間だと予測していた。




「あぁ~思い出した。

そういえばそんなのがいたわね」



奈々さんは手をぽんっと叩いて続ける。





「上司っていうか、会社の中では幹部クラスにいた偉い人よ」





「……名前は、一条?」





俺の言葉に、奈々さんは目を丸くする。




「そうそう! でもヒメくん、なんで知ってるの?

一条さん、2年前から休職してんのよ?」





…………ビンゴ。

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