片想いの行方
第56章 恋する姫君
嫌味なくらい、あの頃の精悍な顔立ちを維持し
大学卒業まで続けた水泳によって、細いけど鍛え上げられた体。
高給と引き換えに、鬼と言われる超大手総合商社で続けられるのも納得できる。
色々とパワーアップしたその容姿と風貌。
でも
……美和を見るその眼差しだけは、変わっていなかった。
結局こいつは俺と同じで。
きっと蓮も俺を見てそう察したに違いない。
……また繰り返すのか?
それとも……………
「……誰か~~ 除湿器持ってきてー。
辛気臭い面倒な奴がいてしんどいわ~~」
姉貴がタバコを灰皿に潰す。
「美和ちゃんと蓮くんのことになるとすぐコレよ。
いつもの俺様ドSなあんたはどこにいったワケ?
男なら正々堂々と勝負してきなさいよ」
「麗子の言う通りだわ」
優香が俺の手に、美和へのプレゼントを乗せた。
「あと、その他にも女がいます発言も宜しくないわね。
たぶんあの子、戸惑ってる。
ただでさえ女は揺れる生き物なんだから、オンリーワンだって言わないと伝わらないわよ」
「………………」
自分の姉貴と
童貞を捨てた初めての女
27にもなって、恋愛指導されてる俺………