片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
なぜか、その笑顔を真っ直ぐ見れなくて、あたしは目をそらした。
な、なんか会話しなきゃ……
「そ、それにしても!
さっきの優香さん、本当にキレイな人だったね!
あんな風になれたら、蓮くんにもっと積極的に行けそうなのになぁ」
「また話ぶり返すのかよ」
ヒメは呆れたようにため息をつく。
「だ、だって……
誰が見たって、あんなふわっとした感じ憧れるよ。
大人っぽくて、すごく女の子らしくて、男だったらみんな…」
「そんなのお前の偏見だ。
美和は、美和らしくいればいいよ。
蓮だって絶対お前の良さに気付く。
俺が保証する」
………
…このドキドキは、課外授業の前触れだ。
この時のあたしは、そう思っていた。
…胸にこみあがる何かに、気付かないふりをして………