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片想いの行方

第60章 裏HERO

▼Side... ヒメ





……すげーいい笑顔。







美和が夢中になって、一条への仕返しを話す姿を見て



俺は胸が熱くなるくらい、感動していた。






なんだよ、俺。


やっぱり美和の笑顔が好きなんじゃねーか。


諦めるとか、気持ちを閉じ込めるとか、ウダウダする以前に



俺の想いは、結局そこに行き着くんだ。






デカイ声出して、万歳して

ぴょんぴょん飛び跳ねて

勢い余って俺の腕を掴んだ美和は




10年前、蓮に片想いをしていた時と同じ少女のようだった。






「…………美和」







俺を真っ直ぐ見つめる美和に向かって、静かに言った。









「俺は、美和が好きだよ」









「………………!!」









「何で美和が好きかっていうと。



……俺は、蓮と一緒に幸せになる美和が好きなんだ。



その想いは、高校時代から変わっていない。




だから、今



何もかもふっきれて、また蓮と付き合える美和を見れて



俺もお前と同じくらい、幸せ」

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