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片想いの行方

第60章 裏HERO


………美和にとって、困惑しないことは何だろうと考えた。






本当の想いを告げない事。


彼女を見守る事。







結局、俺ができることは、この2つだって事に気付いたんだ。




なんつーか、本当の愛っていうやつ?




……まぁ、違う気もするけど




俺自身、自分が未来に進む為に、偽ることも大事なんじゃねーかと思い始めた。




この判断が正しいかどうかなんて、もう考える必要もないだろう。






「……色々と冗談言ったり、誤魔化してばかりで。

お前はその度に戸惑っていたと思うけど。

これが俺の本心だから」




「………ヒメ………」






美和は放心したまま、俺を見つめ続ける。







(………安心しろよ、美和)




俺は心の中でそっと彼女に告げた。






“ 蓮との恋を応援し、見守る ”





同じ会社に勤めて、蓮と俺が親友でいる以上、俺達はどうしたって関わなきゃいけない。



そんな美和にとって、1番安心できて、落ち着く関係。



それを演じる事が出来れば、俺は美和を失うことなく、その笑顔をこの先も見続けられる。







陰ながら好きな女を支える、裏のヒーロー。






俺、最高にかっこよくね?

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