片想いの行方
第62章 過去と未来
泣かない。
絶対に泣かない。
「……本当は、もっと時間をかけてちゃんと考えようと思った。
ずっと揺れ続けて、悩んで迷っていたんだから、こんなにすぐに決められることじゃない。
……蓮くんは揺れてる私でもいいって言ってくれたけど。
でも、違うの」
「美和………」
「私の心が、ヒメの笑顔で溢れてる。
応援してくれるって言ったヒメを……どうしようもなく私の心が求めてる。
“ ヒメとの未来 ” を願う自分がいるって、分かったの。
……ごめんなさい、蓮くん。
ごめんなさい………」
本当は蓮くんに伝えたい想いがある。
だけど
その想いを私が口にすることは、蓮くんにとっては傷を深める事にしかならない。
だから
ただただ、結果だけを彼に告げる。
嫌われても
酷い女だって言われても
この先二度と蓮くんと逢えなくなったとしても
……それが私の決断なんだから。