片想いの行方
第62章 過去と未来
「……どうしたんだよその目。
昨日夕食の後……何かあったの?」
「……………っ」
「ごめん、ちゃんと見送ればよかったな。
何か嫌な事でも……」
ぶんぶんと首を横に振って、私は涙を必死に堪える。
蓮くんは心配そうに私の頬を撫でた。
「………美和…………?」
この手を、これからもずっと繋いでいけると思っていた。
あの時の気持ちに嘘は無い。
だけど
「…………蓮くん………」
もう、何を前置きしても意味がない。
「……私、やっぱり蓮くんとは一緒になれない」
「……………!」
「………ごめんなさい。
蓮くんは、信じてほしいって言ってくれたけど。
私は………
ヒメが好きなの。
ヒメの想いが私の心に溢れているから
だから………
蓮くんの傍にはいられない」