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片想いの行方

第63章 2人の蓮

瑠璃はいたずらっこのような笑顔を浮かべた。



最終アナウンスが流れる中、俺は言葉を詰まらせる。




「……でも、俺は………」



「もー、男のくせにウジウジしないでよ。
蓮らしくないわね」




瑠璃は笑いながら続ける。




「別れたばかりだとか、早すぎるとか、この先どうするとか。

恋愛してるんだから、そんな決まりなんてないでしょ。

数ヶ月逢えなくても全然平気だった私が、この1週間でどれだけ泣いたと思う?

………今だって、本当はめちゃくちゃ緊張してる」





瑠璃は俺から目線を逸らして、そっと自分の目に手を触れる。





その姿に、ドクっと体が反応する。




………………





一度付けようとしたシートベルトを再び除けようとすると







「仕事中です、お客様」






瑠璃はピシッとした声に戻り、立ち上がろうとした俺の体を押さえた。

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