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片想いの行方

第64章 片想いの結末



「じゃあなんだよ」





背中に手を回してホックを外したヒメが、ため息をついた。





「……蓮くんが現地に着くまではしない」





私の小さい声に、ヒメの手が止まる。





「……意味不明」


「……だって、蓮くんまだフライト中だもん」


「だから?」


「なんとなく!
蓮くんが無事に到着するまでは、ヒメとはしない!」





………ヒメが言った通り、自分で言ってて意味不明……


だけど、数時間前に蓮くんとサヨナラしたばかりだから


ありえないくらい心臓がバクバクしてしまって、この状況に耐えられ無さそうで……



そんな防御線を張ってしまった。






「あいつどこまで行ってんだっけ」




ヒメが不機嫌そうな顔をして、低い声を出す。




「……ニューヨーク」


「もう着いてるよ。心配するな」


「まだだよっ!」


「燃料切れでハワイ辺りで不時着したんだよ。
ニュースでやってた」


「……そんなわけないで……
………っ!!///」





そのツッコミを遮って




ヒメの指が私の中心をぐっと押した。

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