片想いの行方
第64章 片想いの結末
「………………っ」
星空の光に照らされて
私の目の前にヒメがいる。
17歳のあの日、流星群の下でキスをした時とは違う
私を包み込むような優しい瞳で
ヒメが私を見つめている。
「………綺麗だね、ヒメ………」
色んな想いが溢れてきて、自然と涙が零れる。
あの頃の想像を遥かに超えて
夜空に輝く本物の星のように、ヒメは美しかった。
「………それは、お前だろ」
私の目から流れた涙を、上からヒメが優しく拭う。
「……美和。
何度も諦めようとしたし、お前が幸せならそれでいいと思ってた。
だけど、今こうして俺の手の中にいる。
……まだ、夢なんじゃねーかって思う」
「………ヒメ………」
「……泣くなよ。
幸せ過ぎて、俺だって我慢してるんだ」
「………………っ」
逆効果だよ………
ヒメの言葉に、さらに涙が止まらなくなる。
ヒメはふっと笑うと
私の脚を抱えて膝にキスをした。
「お喋りは終わりだ」