片想いの行方
第69章 ☆甘い夜
「………………」
……さっきから、心臓が鳴りっぱなし。
ヒメの右腕が、私の左肩に触れていて
なんだか今日は、それだけでドキドキしてしまう。
ヒメは、食べ方もすごく綺麗で
お箸の持ち方や食事の取り分け方まで、ひとつひとつの動作がとっても上品。
高校の時からそう感じていたから、きっとお母さんや麗子さんにちゃんと教わったんだろうなぁ……
「………ん?何?」
「えっ!?い、いえ何も……」
や、やば……っ
視線に気付いたヒメが振り返る。
思わず見惚れてしまっていて、私は慌てて食べ終わったお皿を片付け始めた。
サイドを少し刈り上げて、茶色のくるっとした髪。
整った顔で、吸い込まれそうな綺麗な瞳。
そして、細くて引き締まった体。
見慣れたはずだったヒメの姿に、また恋をしたように胸が高鳴って。
……私から、ぎゅってしてもいいかな……///
そんな事まで、考えてしまう。
って………
私、いくつよ?
27歳にもなって、高校の時ように緊張する自分。
呆れるくらい
ヒメの事が好きなんだ。