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片想いの行方

第70章 ★完璧な男

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「え?一瞬別れてた?」




バンクーバー国際空港。

従業員専用の化粧室で、同じ国際線CAの同期が振り返った。




「年末の腫れた瞼は、それが原因だったってこと?」

「……うん、そうなの。
人生で1番泣いたかもしれないわ」




口紅をリップブラシですくい、鏡を見たまま答える。

2月上旬。

ニューヨークJFKへの直行便の機内で、蓮と偶然再会してから

1ヶ月が経った。




「それが今では元に戻って、昨日も彼のホテルで熱い夜を過ごしてるなんて。
その空白の1週間がすっごい気になるんだけど?」


「……色々あったのよ」


「ふうん?
まぁ、瑠璃があれだけ泣く所なんて見たことなかったし。
蓮くんがまた彼氏になったなら、本当に良かったね」




同期が鏡越しにニコっと笑う。

その言葉に、私も微笑んだけど

入社した時から仲の良い彼女に、つい本音を漏らしてしまう。




「………でも、前よりも不安なの。
彼女になれたのに、片想いしてるみたい」

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