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片想いの行方

第70章 ★完璧な男

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そして、1週間が経った2月14日。

成田空港の国際線出発ロビー。



いつも蓮と待ちあわせする場所で

窓の外で次々と飛び立つ飛行機を、私は窓際に立ったままぼーっと見つめていた。



これからNYへ行く蓮とアムステルダムへ行く私は、結局1時間程しか合う時間が無くて

すぐに仕事に戻れるように、私は既に制服に着替えていた。

このチョコレートをただ渡すだけという、短いバレンタイン。




「蓮が来るまで、あと15分ね………」




1週間前からの悩みが、いまだに続いていて

これから蓮に逢えるっていうのに、どこか浮かない気分になってしまう。



“ 蓮に相応しい女性 ”

“ 蓮を癒せる女性 ”



考えれば考えるほど、今の私には到底当てはまらない気がして

バレンタインの当日、周りがなんとなく華やかな空気の中で

私は1人で、ため息が止まらなかった。

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