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片想いの行方

第70章 ★完璧な男

「あの、すみません」



ふいに、後ろから声をかけられる。



「ちょっと教えてもらえますか?」

「あ、は、はい!」



自分がCAの制服を着て、ナンバーカードを首から下げてることを、今さら思い出す。

慌てて仕事モードにスイッチを切り替えた。



「すみません、承ります」

「さっきアナウンスが流れて、この便の搭乗ゲートが変わったみたいなんだけど。
どこか分からなくて」

「では、搭乗券を拝見して宜しいでしょうか?」



男性2人組が差し出した券を見て、案内板を確認する。

アリタリア-イタリア航空の、ミラノ行き……

内容を理解して、私は続けた。



「大丈夫です。
こちらは出国審査後にご案内しますので、まずは通常通りセキュリティチェックを……」




その時


搭乗券の1枚に、ふいに目が止まった。


右端にある、記載された名前。





HIMEMIYA/REN





「……………!!」


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