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片想いの行方

第71章 ★君のままでいい

「ごめん、一度会社に寄ったから遅くなった」



私がプレゼントした腕時計を見ながら、蓮が近付いてくる。

黒い短髪をピシッと固めて

ビジネスマンの象徴であるスーツを着こなして


………私、やっぱり

貴方が世界で1番カッコイイ男だと思うわ。



「どっかカフェに入る?
ってそんな時間ねーか………」



話しながら、私の顔を見るなり

蓮の表情が曇る。



「………瑠璃?
その顔……泣いてたのか?」

「……うん、ちょっとね」

「…………?」

「大丈夫よ。
悲しくて泣いてたわけじゃないの」



心配そうに私を見つめる蓮。

あと5分早かったら、2人が並んだ姿が見れたんだけど。

偶然が、そんな何度も重なったりはしないよね。

でも、最強のイケメン同士がどんな会話をするのか、ちょっと見たかったな。



「瑠璃?
今度はどうして笑うの?」



1人で微笑む私。

蓮はもう不思議で仕方ないみたい。

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