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片想いの行方

第71章 ★君のままでいい

「はい、これ。
感謝の気持ちを込めて、貴方に」



周りから死角になる、柱の後ろに蓮を連れ出して

取り出したチョコレートを、こっそり彼に手渡しする。



「ごめんね、手作りじゃないんだけど。
今年は日本のチョコレートにしたわ。
周りのCAも言ってたけど、結局1番美味しいのよね」

「瑠璃………」



私の赤い目を気にしながらも

蓮は差し出したチョコレートを受け取ると、表情を緩めた。



「ありがとう。
今日もらった中で断トツで嬉しいよ」

「断トツ?」

「正直言うと
会社の机の上が、プレゼントで山積みだった」

「……ふふっ、芸能人みたいね」



素直に私に報告するところも、蓮らしい。

ライバルは沢山いるけど

蓮は今、私を見て微笑んでくれている。




“ 一緒にいる事を、相手も望んでくれた
それだけで、幸せなんだよ ”




「………………」




行き場のない想いを経験したからこそ

心の奥まで響く、彼の言葉。




………もう、振っ切れた。

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