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片想いの行方

第73章 ★結局、仲良し

……………終わった。




その姿を探す事が、既に意味の無い事に気付き

俺は無言で座った。

自分の醜態を、1番見られたくない奴に曝け出した事で

なんかもう

心の奥で、パキッと音が………




『蓮』

「………なんだよ」

『真の教組はこの俺だ』

「………はぁ?」



………意味不明だけど

何故かドヤ顏をしたヒメが、脳裏に浮かぶ。




『これで貸し借り無しだ。
気持ち悪い友情ごっこも、いい加減終わりにしようぜ。

こんなことばかりしてたら、俺たちマジで危ねぇ』


「………………」




……仕事でも何でも、物事を瞬時に理解し把握する事は

俺にとっては得意分野なはずだけど

完全にへし折られた今の俺では、到底無理だ。


だけど




「………余計なことしやがって」




ため息をつき、そう呟きながら

どこかで、穏やかな気持ちになるのを感じていた。




“ 悲しくて泣いてたわけじゃないの ”




……ヒメが瑠璃に何を言ったかは分からないけど

なんだか、俺が救われたような気分だった。

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