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『気持ち悪いついでに。
俺の今の感情言ってもいいー？』



ヒメはそう言った後、俺の返事を待たずに

さっきまでとは違う、穏やかな声に変えた。




『……蓮。

女っていいな。

彼女っていいよな』


「……………！」


『大切にしなきゃいけねーよ。

……さっき、改めてそう思った』


「………………」




いつもの皮肉や嫌味を言う男の言葉とは、到底思えない。

だけど、ヒメの言った想いが、自分の今の心情と同じだったから

瑠璃にもらったチョコレートを見ながら、俺もその言葉に続ける。




「……そうだな。

愛されてるから、頑張れるんだよ」


『……………』


「守る人がいる。

必要としてくれる人がいる。

……それが、俺達の力になってるんだ」



『………あぁ、間違いねーな』



「当たり前な事ほど、日常では見失いがちになるから

忘れないように、ちゃんと言葉にして

相手に伝えないといけないんだよ、きっと」