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pure love

第5章 兆候?

「……卑怯な奴だな」

「蓮くん‼︎ 」

呟き走り出そうとした俺の腕に、半泣き顔の凛がしがみ付いた。


「ダメだよ! 絶対ダメ‼︎ 」


……わかってる……。

フリースローならともかく、走り回るなんて俺には無理だ。


だけど…

「最近は調子いいから、ちょっとくらいなら平気だって」


すぐにボールを取り返して、シュートを決めてしまえばいい。

後一本決めれば、俺の勝ちなんだ。


「でもっ…」

「黙って見てろ」

「…っ…」

緩々と首を横に振って、凛は必死に俺の腕を掴む。


「凛、離しなよ! 平野がゴール決めちゃったじゃん‼︎ 」

マキの声にコートを見れば、既に平野の放ったボールはリングをくぐった後だった。

再びシュートの体勢を作る平野。


「───っ、させるかよ‼︎ 」

「蓮くん‼︎ 」

俺は、凛の手を振り払い、コートへと駆けていた。


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