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pure love

第5章 兆候?

ガラッ

勢いよく病室のドアが開けば、ダンダンと大きな足音を鳴らして凛が近付いてくる。

いつもの穏やかな凛からは想像出来ないその気迫に、思わず息を飲んだ。


「蓮くんのバカ‼︎ 」

「バッ…⁉︎ 」

「死んじゃうかと思ったんだよ⁈ バカ‼︎ 」

そこまで言って、泣きじゃくる凛。


「ごめんな……」

今だたくさんの管が繋がる腕を伸ばし、俺は凛を抱き寄せた。


ドキドキと高鳴る胸。

あーもー、すげー愛おしい…

(やっぱ俺、凛の事、すげー好きだわ)


こんな時だというのに、腕の中の小さな身体や纏う空気まで独り占めしたくて、抱き締める力を強める。

凛の髪から発せられるシャンプーの香りが鼻元を擽り、心の奥まで満たされるようなその香りを思い切り胸に吸い込んだ。



「父親の前で…蓮、お前いい度胸してんな」

「あ…」


やべえ…

凛は凌太先生の娘で、

部屋の中には凌太先生が居たんだった…。



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