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pure love

第8章 相愛

夏休みでも制服で会ってたから、

それ以外の服装…

しかも浴衣姿なんて、心臓もたないかも……。

それくらい、

凛の浴衣姿は似合ってて…色っぽくて……

褒める事も、手を繋ぐ事も、

何故だか躊躇われた。


男4人女4人の、いつも学校に集まってたメンバーで夜店を見て回る。


ガキの頃は病院に居たし、

中学の頃は同級生に会いたくなくて下校後は家に引き篭もってた。

だから、俺にとって夏祭り自体が初めて。


「おぉっしゃーっ!」

通算11匹目になる金魚をボールに掬い上げ、ポイが破れた。


「蓮ってやっぱり器用! 初めてとは思えないよ!」

キラキラ輝く瞳で凛に見つめられると照れる。


「初めてなんて絶対嘘だろ⁈ 」

自ら勝負を持ち掛けたくせに、奏のボールの中には5匹の金魚。

悔しそうに俺を睨んでいる。


毎日病室に閉じ込められてた頃、いろんな本を読んだ。

その期間があまりにも長くて、読む本の種類は絵本を越え、スポーツ関係のものも読んだ。

本の中でしか知らなかった祭りの楽しさ…

実際にそこに来てみれば、想像していたより遥かに楽しかった。


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