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pure love

第8章 相愛

凛の頬を両手で挟む。

不思議そうに顔を上げた凛を見て、気合いを入れて口端を引き上げた。


「当たり前だろ! 絶対治すって言っただろ」


心の底からそう思えた。

同じ病気に怯える凛の為に…

そして、

これからも凛といる為に…


ハンデでしかなかったこの病気が、凛と俺を巡り合わせてくれた。

そう思えると、不思議と治る気すらしてくる。


「凛、すげー好き」

「うん。私も…大好き」


1度目は振り返った時に起きた事故。

2度目は人工呼吸。

─────3度目のキスは…

仄かにカキ氷のイチゴ味がした。


触れ合うだけのキス。

今はそれで精一杯……すげードキドキするから。


唇を離し、照れながら笑い合う。

「心臓破裂しそー…」

「治すって言った傍からやめてよ!キスだけで破裂させないで!」


何となく…男女が逆転したような会話をして、

どちらからともなく笑い出した。


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