テキストサイズ

pure love

第1章 出逢?

─────…っ⁉︎


ホンの一瞬、唇に何か柔らかいものが触れる。

目を見開き、俺を振り返っている凛。その顔が目の前にある。


かぁぁぁぁぁっ

互いの唇に触れたものの存在に気付き、俺も凛も火が出そうな程に顔を赤く染める。

真っ赤な顔で、慌てて押さえたのは……唇。

たった今、ホンの一瞬、唇が触れ合った。


「ごごごごごめんっ‼︎ 」

故意じゃない!
断じて故意じゃないっ‼︎

だけど、つい見つめてしまう。


「私こそ…っ…ごめんね……」

凛が言葉を紡ぐ度に動くそれ。

薄紅色で、艶やかで、柔らかい……。


自分の唇を押さえて立ちすくむ俺。

その目はひたすらに凛の唇を追っている。


恋愛なんて避けてきた。

だから初めてなんだ。

女の唇があんなに柔らかくて、女の身体はあんなに小さいなんて…

俺は今日、初めて知ったんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ