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pure love

第1章 出逢?

熱湯が掛かったであろう部分が、赤くなってる。

その部分がしっかりと冷やせるように、俺は凛の手を握る手に力を込めて引いた。

(……ちっせー手……)

俺の手の中にすっぽりと収まる凛の手。

病気のせいで色の白い俺の手よりも、白くて滑らかな凛の肌。


─────それに、

(俺の胸の中にすっぽり入っちゃうじゃん…)

小さな凛の身体。

何かいい匂いするし、時折触れる肩や背中が柔らかい。


ドクン、ドクン…
甘い痛みを伴って、大きく脈打つ心音。

(何これ? 発作? すげー胸が苦しい…)

冷たい水に触れているのに、身体はどんどんと熱を持っていく。


「れれれれれっ蓮くん! もう平気だから…っ」

慌てて、首だけ振り返る凛。

「はぁ? まだ赤いじゃん…」

俺は、手元を覗き込むように身を屈めた。


……その、時……


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