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pure love

第10章 願い

グッタリと、俺の上に倒れ込む凛。

素肌同士が触れ合って、昂る互いの心音が伝わってくる。



「……私、ナースになりたい」

はぁはぁと、今だ整わない呼吸の合間に、凛が呟いた。


「蓮みたいに、病気と向き合って頑張ってる患者さんの力になりたい」

「凛ならなれるよ」


覗き込んだ凛の顔で、強い意志を秘めた瞳が輝き、俺はそう答えていた。


「うん、頑張る!」

そう言って、凛は俺の胸に頬擦りする。


「じゃあ俺は医者になる」


将来の夢…なんて……考えた事なかったな。

凛が看護師なら俺は医者なんて、安易だけど…


「凛が絶対に発症しないように……こんな病気で苦しむ人が1人でも減るように……医者になってこの病気を治す」


強く強く、そう、思ったんだ。


「うんっ‼︎ 」

顔を上げた凛が笑顔で頷いてくれる。

そして、

「蓮、もう一回しよ?」

そう言って、モゾモゾと俺の身体の下へと移動して行く。


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