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pure love

第11章 【最終章】未来 〜side 凛〜

高1のあの夏の日…

蓮の命の灯火が消えかけようとしていたあの瞬間……



今でも時々夢に見る。


大切な人を失う恐怖。



私は、

何も出来ずにただ泣きじゃくっていた。



でも、お父さんだけは諦めなかった。



テキパキと指示を飛ばすお父さんが、あんなにカッコ良く見えたのは初めてだ。


泣きながら、蓮とお父さんを見つめる私を、

「大丈夫…絶対大丈夫だから…」

言い聞かせるように繰り返しそう言いながら、お母さんはずっと抱き締めていてくれた。


「うん…」

頷きながら、突然遠ざかる意識。


違う…

遠ざかるんじゃなくて、呼び起こされる─────…


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