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pure love

第11章 【最終章】未来 〜side 凛〜

「凛?」

目の前のお母さんの声が、随分と遠くに聞こえる。

自分の身体なのに、自分の意思で動かせない。

なのに、全然恐怖を感じない。


─────誰かに、包まれているような感覚。



「当たり前よ…」

その誰かが、私の口を動かす。

「凌太なら、絶対に助けてくれる」



─────凌太?

お父さん?

私を動かすこの誰かは、お父さんを知っているの?



「凛?」

心配そうに、私を覗き込むお母さん。

そんなお母さんの表情を見て、私の口元がフッと緩む。



「ねぇ、美優。

美姫が死ぬ間際に凌太が言った言葉、教えてあげる」

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