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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

「高1の終わりだったか?蓮がこの病院から転院していったのは」

高級そうな革張りのソファーに座るよう促しながら、凌太先生は和かに話し始める。


「はい。凌太先生に紹介してもらった病院で治療に励み、完治してからの高校生活で、医大では最年長でした」


完治なんてあり得ないと諦めていた難病。

でも、凌太先生のおかげで俺は今もここにいれる。

夢だった医師にもなれた。


医師になって再確認した。

凌太先生はすげー医者だって…

デカイ病院の院長なのに、全然気取ってなくて、気さくで、患者の立場でものが見れる…

俺の、尊敬する医者───…


「うっわ…蓮が俺に敬語で話してる!なんか俺、すっげー偉くなった気分」


…………前言撤回……はしないけど、

「相変わらずですね」

あの頃と変わらない凌太先生に安心しつつ、ついつい溜息が零れた。



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