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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

「小難しい話は他の人に聞いて」

と簡単な説明すらされず、凌太先生は昔話に花を咲かせたまま…


昔話……の筈なのに、意識的に話に出て来ない俺の想い人の話。


結婚しててもおかしくない年齢だ。

子供が居たって不思議じゃない。

だから、凌太先生は話さないんだろうか……


ナースになると言った彼女。

どこの病院で働いているのだろう。

そもそも、本当にナースになったんだろうか……


17になる直前に離れた彼女とは、10年近い空白の時間がある。


転院してから2年近く入院してた。
病状が深刻な時期もあって、病室では携帯は切ってたから凛からの連絡は受けられなかった。

たまに連絡してみても、凛は授業中だったりして……凛が看護学校に通い出してからは留守電のやり取りばかりだった。

退院が決まった頃、風呂の中へと沈んだ携帯。

凛を含む、親しかった全ての皆の連絡先が…





─────…消えた。



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