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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

だけど、

「アラサーでドレスなんて恥ずかしいから、入籍だけで済まそうと思うの」

凛のその言葉に、和やかな雰囲気から一変した。


「ダメだ!式は絶対に挙げろ」

凌太先生が声を荒げる。

静まり返る室内。


結婚式…
俺としてはどっちでもいいし、凛のしたいようにすればいいと思ってた。


「何でよー!そこは娘の好きにさせてくれていいじゃない!」

「ダメ!凛は一人娘だぞ?俺が凛とバージンロードを歩きたいんだよ」


凌太先生と凛の言い争いが続く。


互いの主張を聞こうと聞き耳を立てていると、

「…………なぁ」

後ろから声を掛けられる。


オロオロと凛と凌太先生を見ている蘭さんの後ろから、ズイッと一歩 俺へと近付く長身な彼。

「あー…俺、こいつ…蘭の旦那で、久遠 叶夢[くおん かなむ] 」

怪訝な俺の視線に気付いたのか自己紹介した彼……叶夢くん。

「俺が口出す事じゃないんだけどさ、煌太の親父さんの真意……わかってやって欲しくてさ」


─────凌太先生の、真意?


「凌太先生と美優さんさ、式を挙げてないんだってさ。
美優さんにベタ惚れな凌太先生は、美優さんのドレス姿を見れなかった事を後悔しててさ、一緒に酒飲むとよく愚痴ってる」


叶夢くんの言葉に、今だ言い争う2人を見た。


───…一人娘の晴れ姿

やっぱり見たいんだよな……



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