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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

見慣れた顔が並ぶのに、俺の心はここにあらずだ。

ビシッとスーツを着て、ソワソワしながら席に着く。


週末の秋村家。

俺は、凛の両親へ挨拶に来ていた。


挨拶…

こちらへ戻ってきた挨拶…でもない。

秋村医院で働き始めた挨拶…でもない。


「凌太先生…っ…美優さん……っ、

凛と……凛、さんと…結婚させて下さい‼︎ 」


そう、

結婚の挨拶だ。


俺の言葉に返ってきたのは、

「いいよ」

という軽〜い答えで、ホッとしたというよりガクッとした。


「なんか、軽いな……」

苦笑いしているのは、凛のお兄さんで秋村医院では俺の先輩医師の優太さん。


「やったな、姉ちゃん!」

「凛さん、ずーっと蓮さんを想い続けていたんですよ」

子供を三人抱えながら笑顔を向けてくれるのは、凛の弟 煌太の家族だ。


「凛ざぁぁぁん!よがったぁぁぁっ!」

煌太の嫁さんのお姉さんが、凛に抱き着く。

……凛と仲がいいんだな。
ただの親戚付き合いなら、ここに同席してないもんな。

凛の上をいく天然なそのお姉さん…蘭さんのおかげで、その場が和やかなものとなっていった。



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