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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

「蓮……」

俺の前まで来た凛と、その父親の凌太先生。

俺を真っ直ぐに見つめる凌太先生の瞳は赤い。


思わず、胸の奥から何かがグッと込み上げてくる。


凌太先生の腕から離れた凛の腕が、そっと俺の腕へと回される。


「絶対絶対離すなよ」

凌太先生の言葉に、

「はい」

その瞳を見据え、しっかりと頷いた。


「何があっても、絶対離すなよ」

「はい」


「……凛を、よろしく……頼んだからな」

凌太先生の瞳が、キラキラと光を反射する。


「お父さん……」

溢れそうになる涙を必死に留める凌太先生。

思わず駆け寄ろうとした凛の手を、グッと引いた。


「絶対絶対、幸せにします」


俺の言葉に、凌太先生が満足げに頷く。

そして、昔から変わらない笑顔を見せてくれた。




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