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pure love

第2章 嫉妬?

シュ─────…

「あ! 流れ星っ」

あちこちからまた歓声が上がる。


「凛!」

「蓮くん!」

俺と凛の声もハモる。


(願い事っ‼︎ )

俺も大概ロマンチストだなぁなんて片隅で思いながら、慌てて心の中で願い事をしていた。


『これからもずっと、凛と笑い合っていたい』


三回唱える前に、無情にも光は消えてしまった。

「あー、間に合わなかったぁ…」

隣で、凛も悔しそうに呟く。

でもまたすぐに眩しいくらいの笑顔を俺に向ける。


「ね、蓮くんは何をお願いしたの?」

「ん? 凛の鈍臭さが少しは良くなりますようにって」

「えーっ、私そんなに鈍臭い⁈ 」

また膨れ始める凛に、俺の頬も緩む。


ギュッ…
繋いだ手に力を込める。

「……っ……」
息を飲み、顔を俯かせる凛。


─────触れたい…。


もっと凛に触れたい。

凛を知りたい。

思う程に、手に力が篭る。

自分でも戸惑うこの感情の、ただ赴くままに凛の手を握っていた。


それが、

この後に凛を苦しめる事になるなんて…

浅はかな俺は考えもせず、ただただ凛に触れていたくて、繋いだ手を離せずにいたんだ……。

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