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pure love

第2章 嫉妬?

グッと、繋いだ手が強く引かれた。

「凛?」

「蓮くん、流れ星!」

興奮した凛の声。

周りからも歓声が上がっていた。


慌てて夜空を見上げれば、弧を描き空を滑り落ちる光。

「あ……」

声を上げた時にはもう光は消えていた。


「ねぇ、蓮くん。流れ星なら、地上からでも背伸びをしたら届きそうじゃない⁈ 」

キラキラとした瞳で俺を見る凛。


「……ていうか、そろそろ星を捕まえるって夢を諦めろよ」

「むーっ」

呆れたように言えば、凛はまた頬を膨らます。


凛といると、心の底から笑っていられる。

その笑顔に、心が温かくなって、満たされて行く感じがする。


ドキドキと…発作とは違う、心地よい動悸。


この時の俺は、まだ、この気持ちの名前を確信出来ずにいたんだ。


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