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pure love

第4章 距離

ずっと俺を苦しめ続けてきたこの病気が、皮肉にも俺と凛との仲を急速に深めてくれた。

教室でも、凛とはよく話した。

相変わらず凛はドジで、俺の目はいつだって凛の姿を追っていた。



「り〜んっ!」

「きゃっ…」


階段で、平野が凛に声を掛ける。

サッとくびれ辺りを撫でられ、凛の身体がビクリと跳ねる。

その拍子に段を踏み外す凛。


─────言葉よりも先に身体が動いてた。


凛の手を掴み、グイッと引き寄せる。

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