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pure love

第1章 出逢?

校舎裏の人けのない所へと連れて来られる。

セミロングの黒髪。
まん丸の輪郭の中に、配置された目鼻口。

どこにでもいそうな顔?
だからこそ、名前すらわからない。


「好きです! 付き合って下さい!」

目の前の女は、名乗る事もなく、制服の胸元を両手で握り締めて小さく震えている。


……すげー勇気出して言ったんだろうな。

誰なのかも…俺の何処がいいのかも…全然わかんないけど、好きなやつに告白するってのはすごいと思う。


「ごめん…」

だからこそ、いい加減な事は出来ない。


「……付き合ってる人がいるの?」

「いないよ…」

「じゃあ、好きな人がいるの?」

「……うん」


本当は、恋愛とかしてる余裕なんてない。

今は”普通の生活”を送るのが精一杯。

他人なんか構ってる暇はない。


でも、何度も告白されて思った。

嘘でもこう言わないと、女は諦めてくれない。

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