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pure love

第4章 距離

──────────…

─────…

………

「はぁ……」

触れ心地のいい唇がそっと離される。


薬で治まった筈の胸が苦しい。

……違うか……

これは、俺がドキドキしてるんだ。

発作とは違う。

締め付けられるように痛いけど、どこか心地良い痛み。



「な…んで……?」

甘い余韻に浸りながら、ぼんやりと凛に問いかける。


かぁぁぁぁぁっ
と、音が聞こえそうな程に赤くなる凛の顔。


………やめて欲しい。

つられて赤くなるんだけど……。



「ちっちっちっちちっ違うの‼︎ あのっ、あのあの、おっ…お父さんに電話したら、そういう時はじじじじじっ…人工呼吸っ…だって言う、から 」



─────あの野郎…。

主治医に向かって失礼だけど、あり得ないその指示にそう呟きそうになった。


絶対楽しんでやがる。

実の娘によくそんな事が言えるな!


「ごめんね。必死過ぎて息を送ってなかった。これじゃただのキスだね…って…あっ‼︎ 」

そう言って更に顔を赤くする凛。


だから!

つられるからやめてくれ。

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