神様の独り言
第6章 神様は罪を許し歌う
「ぁ…あがぁ…」
ハキは、ベッドから出ると…
窓辺に後ずさりを始める…
昨日…何度も“大丈夫”と道子に言ってもらったハキだったが…
これまで蓄積された不安や警戒心は…
簡単にハキを自由にはしてくれそうにもなかった…
道子だって…それは覚悟の上…
ゆっくり…打ち解けて行けばいいのだと…
“大丈夫”と…何度も手をさしのべる―――――…
「ハキ、朝ごはん食べよう?」
唇の動きを少し読めるハキは…“朝ごはん”のワードにお腹を押さえた…
「ふふふ、お腹…空いてるのね?行きましょう?」
ハキは、うなずき道子に手を引かれ…部屋を出た――――…