神様の独り言
第9章 迷羊は神を知る
ヘッドフォンを手にしたハキは、明るくなった―――…
無い耳を隠すように伸ばしていた髪は少し切り…清潔感のある感じとなった
ハキは、ヘッドフォンを常にしていた…
新しく入った使用人には、音楽好きな無口な少年…かな?と…見間違うほど…だった…
しかし、手話で酒井と話しているのを見て…徐々にハキの障害度を把握していく…
道子も、楽しそうにしているハキを見るのは好きだった…
この頃は、二人でよく出掛けている…
新しい世界を広げているようだった――――――…
酒井は、二人の成長を微笑ましく見守ることにしていた…
だが……使用人による不可解な出来事は続いていた…
酒井が未然に防いでいても…
見えない力は日に日に…
道子に迫っていた――――…